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鍛冶屋サキュバス奮闘記

定期更新型ネットゲーム『sicx Lives』に参加している、リムル(579)の日記帳です。 主に日記置き場ですが、お絵描きしてたり、何か呟いてたりもします。

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探索3日目

 
 島の中は様々な冒険者たちで溢れていた。
 ざっと見渡してみれば、旅装束の人型がもっとも多い。
 次いで獣の要素を含む者や、羽の生えた者。
 じっくりと目を凝らしてみれば、小さな動物や見たこともない生き物もいた。
 
(うーん、もう数人で集まってる人達は声をかけてもだめそうだな)
 
 生い茂る草をさくさくと踏み鳴らしながら、広場を見つめて考える。
 
 少し離れた場所で独り佇んでいる者も少なくはないが、
 その者が自分と同じく仲間を求めているとは限らない。
 動物は好きな方だけど、すでに誰かの相棒である可能性がある。
 
(それに、やっぱり言葉は通じた方がいいし)
 
 人語を解する動物もいるとは聞くけれど、人語を話すものは少なそうだ。
 ここは無難に人型で、年も近そうな少年少女を狙ってみるべきか。
 
 そう思い立った瞬間、そう遠くない場所から言い争うような声が聞こえた。
 
「ちょ、何勝手に取ってるんですか!!」
 
 少し甲高い感じはするが、おそらく若い男の声だ。
 
(取る?盗人か?)
 
 こんなに沢山の人がいるのだから、中には悪人もいるだろう。
 自分の羽は小さいながらも空を翔けることができる。
 盗人を捕まえるくらいなら手伝えるかもしれない。
 
 そう思って、声のした方向へと走った。
 
(あれ?)
 
 着いた先には何やら香ばしい匂いが漂い、
 傍には少年と思われる若者と、髭を生やしたロボットの姿があった。
 
「僕はクレイといいます」
「オラはクロマニョンヌズラ。名前はまだ無い」
「思いっきり名乗ってるじゃないですか!」
 
 どうやら自己紹介をし合っているようだ。
 そして、さっきの叫び声はこの少年のものだったのだと悟った。
 
(なぁんだ。勘違いだったんだな。よかったよかった)
 
 張り詰めていた気を緩め、少年の方を見やる。
 2人はまだ自分に気付いていないらしい。
 小柄なロボットと、小柄な少年。
 そんな2つの姿が寄り添う様は、ほんのちょっぴり愛らしく見えた。
 
(・・・・・・って、ばかー!!あたしが見惚れてどうすんだ―――!!!)
 
 元から小さな生き物には和む方だが、これは動物とは違うのだ。
 曲がりなりにも人型に見惚れては一族の名折れと、慌てて頭を振った。
 
 そうだ。今の流れだとこの2人は今し方出会ったばかりのようだ。
 自分も仲間に入れてもらえないだろうか?
 そしてこの人騒がせな喋り方の少年を、自分の修行相手にできないだろうか。
 
 そう思いついた矢先、ロボットの方と目が合う。
 
「ところで、おめーの後ろのほうにいる女、ありゃどこのどいつズラ」
「え、えーっと、えーっと、あ、あたしも仲間に入れてくれないか!腹ペコで倒れそうなんだっ!!」
 
 驚いたように振り返る少年が口を開くよりも早く、あたしはそう叫んでいた。
 
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