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鍛冶屋サキュバス奮闘記

定期更新型ネットゲーム『sicx Lives』に参加している、リムル(579)の日記帳です。 主に日記置き場ですが、お絵描きしてたり、何か呟いてたりもします。

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探索7日目


 
 毒蠍 は 仲間になりたそうな目 で こちら を 見ている!
 
 だが レイム は 節足動物 が 苦手だった!!
 
 
 
(あたしの魅力が通じたのは嬉しいけど、む、無理だよぉ・・・!!)
 
 
 
 あたしは、こちらを見ている毒蠍に背を向け、逃げるように走り去った・・・・・・。
 せっかくのペット候補だったのに。ぐすん・・・。
 
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探索6日目

 
 装飾作りはあたしの趣味だ。
 服そのものまでは作れないけれど、それに付ける飾りとかなら好きに作れる。
 今、自分が身に着けているリボンやチョーカーも勿論自作のものだ。
 
(こんなに手先が器用なんだから、絶対床上手なはずだ!)
 
 そんな励ましを自分に送り、今日もどうやってクレイに手を出そうかと考える。
 
(戦闘後のマッサージはすぐに逃げられちゃうしなぁ)
 
 疲れた身体を揉み解して心も解し・・・・・・というのは常套手段のはずだ。
 けれど、クレイはなかなかに逃げ足が速かった。
 触る前に逃げられるのではどうしようも無い。
 何か新しい手段を考えなくてはいけないかと、首を傾げたその時だった。
 
「あ、レイムさん。装飾を1つ作っては頂けませんか?」
 
 そう言いながら現れたのは、丁度意中だった相手、クレイだ。
 
「ん?飾りか?いいぞ!どんなのが欲しいんだ?」
「そうですね・・・・・・白くてキラキラしたのがいいです」
「白くてキラキラか。よし、任しとけ!」
 
 こうしてクレイから装飾作りの依頼を請けたあたしは、
 1時間程かけて銀色のブレスレットを作った。
 シンプルな細い鎖がゆるく捩じり合いながら二重の輪になる形で、
 その身に太陽の光を受けると静かに煌めいた。
 
「うわぁ、綺麗ですね。ありがとうございます」
 
 クレイは早速左腕に装着すると、にっこりと微笑んで言う。
 
「えへへ。喜んでくれたら嬉しいぞ!」
 
 そんなクレイの顔を見ながら、あたしも嬉しくなって笑った。
 
「ところで、それに名前は付けるのか?」
「名前ですか?」
「そうだ。その方が愛着が湧くだろう?」
「うーん・・・そうですね・・・」
 
 クレイは少しだけ目を瞑って考える素振りを見せる。
 そしておもむろに表情を明るくさせ、
 
「ホーリィブレスにします」
「ほーりぃぶれす?」
「はい」
 
 にっこりと笑いながら言われたその言葉の意味を、
 あたしはがんばって考えた。
 
(ほーりぃってなんだっけ・・・・・・。確か、確か・・・せいなる・・・なんちゃら?)
 
 あまり他種族の言葉に詳しくはないけれど、
 その響きはどこかで聞いた覚えがあった。
 
(あと、ブレスは吐息って意味だったはずだから・・・・・・そうか!)
 
「性なる吐息、つまり桃色吐息ってことだな?!
 意外と大胆だな、クレイ!見直したぞ!」
 
 あたしは謎が解明した事と、彼の新たな一面を見れた事の嬉しさで
 にっこりと笑いながら肩を叩いて告げる。
 するとクレイはきょとんとした表情をした後、一瞬で顔を赤く染め上げ、
 
「ちょ、何言ってるんですか!
 ブレスは吐息じゃなくてブレスレットのことですよ!
 清い、聖なる、ブレスレットー!!」
 
(あ、あれ?)
 
 どうやらホーリィとは“性なる”じゃなくて“聖なる”だったらしい。
 
(おかしいな、ホーリィナイト~性なる夜・・・・・・とかって使わなかったっけ)
 
 大きな声で叫ぶクレイを目の前に、あたしは1人悩んでいた。
 

探索5日目

 
「だいたいおめー、ちょっと変わってるズラ」
 
 そう言ったのは、肉欲旺盛というちょっと変わったロボットのクロマだった。
 どうやら興味があるのはお互い様だったらしい。
 
「普通、女って奴は、こう、肉の塊が肩の下に2個ついてるデザインズラ」
 
 クロマはそう言いながら胸元に手で球体を描き、こちらを見ては首を傾げた。
 あたしはコンプレックスである乳の無さを指摘され、思わず早口で
 
「かっ、塊言うな!
 あれは色んなものを極上の柔らかさで挟み込む」
 
 おっと危ない。
 
「いや、包み込む、至高の果実なんだぞ!
 あ、あたしにはちょっと足りないけど・・・!」
 
 そうだ。すごいやつはすごいんだ。
 そして、あたしはちょっと小さいだけなんだ。
 そう、念を押して訂正してやった。
 
 すると、クロマはまたもや首を傾げて、
 
「そんな、おぞい言葉遣いをするもんじゃあねーズラ。
 女はもっとおしとやかにするもんズラ」
 
 今度は言葉遣いかー!
 
「お前だって変な語尾つけてるくせに文句ばっか言うなー!」
「オーノーだズラ。しかたねーズラ。
 1万年と2千年前からクロマニョンヌだから古ぃのはあたりめーズラ」
「へっ?」
 
 恐らく間抜けな顔で返しただろうあたしに、クロマは真面目な顔で続ける。
 
「8千年過ぎたころから数えるのが嫌くなっちまったズラ。
 先輩ズラ。敬語使うズラ」
 
 なにやら途方も無い数字が出てきた。
 
(クロマって、もしかしてすっごい年寄りなのか・・・?)
 
 あたしはじろじろとクロマの全身を見つめ、少しだけ考えてから、
 
「どこまで冗談でどこまで本気か判んないけど、
 仲間に四六時中敬語なんて疲れるぞ。
 おじいちゃんと孫みたいな感じでいいじゃないか」
 
 すると、クロマは微妙に変な顔をしてから、ゆっくりとひとつ頷いた。
 どうやら納得してくれたらしい。
 
 じゃぁ、これでクロマは大事なおじいちゃんだ。
 クロマが怪我をしないように、あたしがしっかり護ってやらなくちゃ!
 仲間の傍を離れてから少し寂しかったけど、これで身内ができた気がする。
 ちょっとだけ嬉しい。
 
 ひとり顔が綻ぶあたしを、クロマは不思議そうな顔で見ていた。
 

探索4日目

 
 クロマとクレイと出会って1日が過ぎた。
 結局あたしはあの後、2人の仲間に入れてもらうことができた。
 島の探索を朝から日が落ちる直前までして、今は夜ご飯の時間だ。
 
「うまいっ!これも、これもだ!クレイの料理すっごくおいしいぞっ」
「そうですか?ありがとうございます」
 
 あたしは目の前に並ぶ料理を物凄い勢いで食べていた。
 作り手は勿論、先ほどの謙虚な物言いのクレイだ。
 隣では、ロボットのはずのクロマも同じ料理を満足そうに食べている。
 自分はあまりロボットというものに詳しくないけれど、
 ロボット=機械という認識だったので、食事をするという彼の姿には驚いた。
 
(肉欲って、実は深い言葉だったんだな・・・!)
 
 どうやらクロマは肉が好きらしい。
 あの出会いの場でも、2人は1つの肉を取り合っていたというのだ。
 結局はあたしとクロマが食材の調達を手伝うことになって、
 その調理をクレイが行うということで合意した。
 
「オラの肉欲を利用するとは、賢い人間ズラ」
 
 そう言ったクロマにクレイは頬を染めて、
 
「いや、それは違って・・・」
 
 なんて口ごもるものだから、ああ、これは初心だな・・・!って判った。
 その後もクレイは、女に疎いような行動を幾度となく見せる。
 
「そういえば、レイムさんの背中についてる翼みたいなのってアクセサリーですか?可愛いですね」
 
 そう言ったのは、一緒に行動することを決めた直後のことだった。
 
「バカにするな!これでもちゃんと飛べるんだぞ!!」

 仲間とは違う、小さな翼をからかわれた気がして思いっきり羽ばたいてみせる。
 精を得ず魔力に飢える身体は、翼の力のみでふんわりと舞い上がった。
 
「と、飛んだ―――――――――――!?」
 
 どうやらクレイを驚かせるにはこれで十分だったみたいだ。
 もっと魔力があれば縦横無尽に空を翔け回ることができるのだけれど、
 今の自分では数分も翔ければ疲れてしまう。
 
「え、えええ、レイムさんもクロマさんみたいにロボットだったんですか・・・!?」
 
(・・・・・・なんでそうなるんだ?)
 
 そう思ったのは、クレイが本当に目を丸くしていたからだ。
 ふくよかとはいかないまでも、こんなにやわらかな肌を持つ自分が
 冷たい金属のクロムと同じにされるのは心外だった。
 
「ロボットじゃないぞ、ちゃんと生身だ!ほら、触ってみるか?」
 
 あたしは翼の羽ばたきを止めて地面に降り、クレイに背を向けてやる。
 するとクレイはびっくりしたように後ずさり、
 
「い、いや、いいですよ!女性に触るだなんてそんな!!」
「遠慮しなくていいぞ!ほらほら!」
「い、いいですってばー!!」
 
 あたしは真っ赤な顔で逃げ回るその姿がおかしくて、
 飽きれたような声でクロマが制止するまで、延々とクレイを追い掛け続けた。
 

探索3日目

 
 島の中は様々な冒険者たちで溢れていた。
 ざっと見渡してみれば、旅装束の人型がもっとも多い。
 次いで獣の要素を含む者や、羽の生えた者。
 じっくりと目を凝らしてみれば、小さな動物や見たこともない生き物もいた。
 
(うーん、もう数人で集まってる人達は声をかけてもだめそうだな)
 
 生い茂る草をさくさくと踏み鳴らしながら、広場を見つめて考える。
 
 少し離れた場所で独り佇んでいる者も少なくはないが、
 その者が自分と同じく仲間を求めているとは限らない。
 動物は好きな方だけど、すでに誰かの相棒である可能性がある。
 
(それに、やっぱり言葉は通じた方がいいし)
 
 人語を解する動物もいるとは聞くけれど、人語を話すものは少なそうだ。
 ここは無難に人型で、年も近そうな少年少女を狙ってみるべきか。
 
 そう思い立った瞬間、そう遠くない場所から言い争うような声が聞こえた。
 
「ちょ、何勝手に取ってるんですか!!」
 
 少し甲高い感じはするが、おそらく若い男の声だ。
 
(取る?盗人か?)
 
 こんなに沢山の人がいるのだから、中には悪人もいるだろう。
 自分の羽は小さいながらも空を翔けることができる。
 盗人を捕まえるくらいなら手伝えるかもしれない。
 
 そう思って、声のした方向へと走った。
 
(あれ?)
 
 着いた先には何やら香ばしい匂いが漂い、
 傍には少年と思われる若者と、髭を生やしたロボットの姿があった。
 
「僕はクレイといいます」
「オラはクロマニョンヌズラ。名前はまだ無い」
「思いっきり名乗ってるじゃないですか!」
 
 どうやら自己紹介をし合っているようだ。
 そして、さっきの叫び声はこの少年のものだったのだと悟った。
 
(なぁんだ。勘違いだったんだな。よかったよかった)
 
 張り詰めていた気を緩め、少年の方を見やる。
 2人はまだ自分に気付いていないらしい。
 小柄なロボットと、小柄な少年。
 そんな2つの姿が寄り添う様は、ほんのちょっぴり愛らしく見えた。
 
(・・・・・・って、ばかー!!あたしが見惚れてどうすんだ―――!!!)
 
 元から小さな生き物には和む方だが、これは動物とは違うのだ。
 曲がりなりにも人型に見惚れては一族の名折れと、慌てて頭を振った。
 
 そうだ。今の流れだとこの2人は今し方出会ったばかりのようだ。
 自分も仲間に入れてもらえないだろうか?
 そしてこの人騒がせな喋り方の少年を、自分の修行相手にできないだろうか。
 
 そう思いついた矢先、ロボットの方と目が合う。
 
「ところで、おめーの後ろのほうにいる女、ありゃどこのどいつズラ」
「え、えーっと、えーっと、あ、あたしも仲間に入れてくれないか!腹ペコで倒れそうなんだっ!!」
 
 驚いたように振り返る少年が口を開くよりも早く、あたしはそう叫んでいた。
 

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